「Phenix」と「アーバンアウトドア」を考える

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過酷なアウトドアフィールドでの着用を想定して開発されたウエアを街着として取り入れる。そうしたいわゆる“アーバンアウトドア”と呼ばれるジャンルは一過性の流行にならず、今ではファッションの定番スタイルとして定着しています。長年スキー&アウトドアウエアを手掛けてきたPhenixもこのジャンルにいち早く注目。長らくアウトドアとファッションの新たな関係性を模索してきました。ここでは同ジャンルの先駆者として知られ、Phenixと共同でアーバンアウトドアウエアを手掛けてきたスタイリストの岡部文彦さんにインタビュー。「Phenix」と「アーバンアウトドア」の親和性、ならびに岡部さんのフィルターを通して感じるそれぞれの魅力についてお聞きしました。

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-Phenixとの出会いはいつ頃からでしょうか?

「僕は岩手県出身で、冬はスノーアクティビティも盛んだったので、それこそPhenixブランド自体は小さな頃からよく知っていましたが、実際にお仕事をさせて頂くようになったのは10年ほど前から。当初は商品カタログのスタイリングを担当させていただいてたんですが、打ち合わせを重ねて距離感が近くなっていくうちに自分が感じた意見を遠慮なく言わせてもらえるようになっていったんです。“こんな製品があったらアウトドア以外のジャンルでもコーディネイトしやすいと思う”とか、最初は世間話程度だったんですが、2011年頃から自然と“じゃあ一緒に何か物を作りましょうか”という流れに。結局色々話し合った末、僕個人としてというより僕も携わっているアウトドアギア開発ユニット“GEARHOLIC(ギアホリック)”とのコラボレーションという形で共作することになりました」。

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自分の好みは一貫して“カッコよくて機能性もある”モノ

「じゃあ具体的にどんな製品を作りたいか、と考えた時に真っ先に浮かんだのが今で言う“アーバンアウトドア”と呼ばれるジャンルのウエア。以前からPhenixは素材選びや細かなディテールの工夫によって、製品の機能性を高めるのが上手いと感じていました。そのノウハウを元にデザインをもう少しファッションに寄せれば、単純に“自分が着たいモノ”が作れるんじゃないかと思ったんです。昔から一貫して変わらないんですが、自分が愛用したいアイテムは“カッコよくて機能性もある”モノ。それに一番近しい製品となると、やっぱり“アーバンアウトドア”なアイテムしかないかなと。それを伝えたら、奇しくもPhenixも街着としても取り入れられる製品作りを模索していて、大まかな方向性がトントン拍子に決まっていったんです。この企画が立ち上がったのは2011年からだから、本格的なスポーツブランドの中ではアーバンアウトドアに注目するのはかなり早い方だったんじゃないでしょうか」。

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スタイリストの目線を通して“作りたいもの”を伝えても柔軟に対応してくれる。

-実際にPhenixと商品を開発する際はどんなプロセスを経ていたんですか?

「僕はスタイリストなので、まずコーディネートからイメージを膨らませて、言葉と絵で製品開発担当者にそのイメージを伝えていきました。例えば“都会的”というイメージなら、まずはツイードタイプのジャケット。そしてその上にはアウトドアメーカーらしいシェルジャケットをロング丈にした防水コート。肌寒くなったら着脱しやすいインナーベストを3ピース感覚のジレタイプ。足元はロングのパンツか個人的にプッシュしているニッカボッカーズとロングソックスをジャケットと同じツイードでセットアップ。…などなど、アウトドアウエアの基本でもあるレイヤリングコーディネイトを都会的に変換したスタイリングから生まれたウエアを企画していきました。」

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Phenix × GEARHOLIC Rainfall 3L Coat

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-完成したアイテムの出来はどう感じましたか?

「Phenixをヨイショする訳じゃないんですが(笑)、完成度は結構高いかなと。例えばこの3レイヤーコートは素材選びはもちろん、ポケットの大きさや位置など細かな部分まで何度も調整したんですが、おかげさまでどんなシーンにも馴染む面構えになりました。元々ビジネスシーンでも着用できるようなアイテム作りを目指していたこともあって、スポーツ色が前面に出過ぎず、大人が街着としても取り入れやすいデザインに仕上がったと思います。とはいえ、先端素材が使われているから蒸れにくいうえ、フルシームシーリングで水にも強いと、かなり実用的。外見的にもポケットのカッティングを含めスポーツギアらしい意匠がさり気なく散りばめられていて、しっかりアウトドアテイストも残している。カッコよくて機能性もある、まさにアーバンアウトドアのお手本のようなアイテムになっていると思います」。

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左/Phenix × GEARHOLIC Rainfall Pants 中・右/岡部さん私物

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-ニッカボッカーズを作るのも岡部さんらしいと思いましたが(笑)

「ここ3〜4年ずっとファッション誌のスタイリングでもニッカボッカーズのコーディネイトを取り入れていますし、僕自身もニッカボッカーズとロングソックスをよく穿いています。他にニッカボッカーズをファッションとして取り入れている人が少ないから被らないところが魅力なんですよね。僕のそうしたニッカボッカーズへの愛着が伝わったからなのか、それとも昔の登山スタイルはニッカボッカーズを履くのが当たり前だったからかは不明ですが、フェニックスさんにはここ4〜5年ずっとニッカボッカーズを作っていただいて嬉しい限りです(笑)。僕の意見が100%反映されたアーバンアウトドアシリーズのニッカボッカーズは、デザイナー田中君のお陰で予想以上に完成度が高くなっていて驚かされました。ウールならではの素朴な風合いにも関わらず、前身頃に防水透湿膜が接着されていて、ごわつかないし蒸れないし軽い。クラシカルなアウトドアウエアっぽい見た目に反比例して最先端の機能性を盛り込まれている。改めてPhenixの物作りの凄味を感じましたね。数シーズンに渡って僕好みのニッカボッカーズを3本作ってもらったんですが、どれもかなりの頻度で着用しています」。

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左/Phenix × GEARHOLIC Rainfall Jacket 右/Phenix × GEARHOLIC Rainfall Pants

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-アーバンアウトドアはファッションシーンに定着しましたが、これからはどのように変化していくでしょう?

「個人的にはPhenixと共作したアーバンアウトドアシリーズでも目指したように、ビジネスシーンを含めファッション以外にも裾野が広がっていって欲しいと思います。特定のシーンにだけではなくライフスタイル全般でアウトドアスペックのアイテムを愛用する習慣が定着していって欲しいなと。ゼロベースで物を共作したり、デザインにだけ携わったりと、その時々によって関わり方は変わるかもしれませんが、いずれにしろ今後もGEARHOLIC(ギアホリック)名義でPhenixと一緒にアーバンアウトドアを普及していけたら嬉しいですね」。

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左/Phenix × GEARHOLIC Limited Color Stelvio 3L Jacket 右/Phenix × GEARHOLIC Limited Color External Down Jacket

▼Phenixオンラインストア
Phenix × GEARHOLIC Rainfall 3L Coat
Phenix × GEARHOLIC Rainfall Jacket
Phenix × GEARHOLIC Rainfall Pants
Phenix × GEARHOLIC Rainfall Short Pants
Phenix × GEARHOLIC Limited Color Stelvio 3L Jacket 
Phenix × GEARHOLIC Limited Color External Down Jacket

▼GEARHOLIC(ギアホリック)
http://gearholic.com/

Photo_Takeshi Wakabayashi
EDIT & Text_Masato Kurosawa

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